まるで彫刻のような美しい黒色をしているニワトリです。
過色素沈着のためジェットブラックとなりました。
しかも肉も黒い(肉については、黒いとはいえ、グレーの様なパープルの様な色です)という、突然変異(フィブロメラノーシス)が及ぼした結果ともいえます。
ハロウィーンか何かのイタズラではないかとまで話題となりました。
そしてそれは、世界では家禽のランボルギーニとも言われています。
私がセマニを初めて知ったのは、2014年頃でしょうか?…
その当時は名前も解らず、数年の月日が経ちました。
私はこの鳥を飼育する為?に、大阪から奈良の過疎地?にわざわざ引っ越しました。
奇虫から恐竜まで?生き物大好きな私、今まで鳥だけ全く興味が無かったのですが、この鳥だけその位魅力が有ったんです。(アヒルや鶏は飼っていましたが)
アヤム・セマニの名前の由来
日本人の私からすれば、かっこイイ響きの名前!と思ったのですが…
「アヤム」はインドネシア語で「鶏」セマニは地元の方言で「Cemaniの村」またはサンスクリット語で「完全な黒」と言う意味で、日本語で言うと「セマニ村の鶏」「真っ黒なニワトリ」とまぁ、がっかり単純な名前でした。(笑)
どちらの翻訳でも良いとされていますが、600年間もの間、貴重なセマニを維持して頂けたセマニ村に敬意を表して、私としては「セマニ村の鶏」を押したいですが、やはり一般的には真っ黒と言った方が注目されるので、そちらが優先されているようです。
セマニ村は、インドネシア中部ジャワ、スコハルジョ県にあります。
黒い鶏が居る村と言う事で、後付けで日本語で表現するところの「真っ黒村」と言う村となったと考えられます。
黒い鶏
変異性線維メラニン形成遺伝子の異常な蓄積により、皮膚や組織が黒く見えるのは、「シルキー(烏骨鶏)」スウェーデンの「スヴァルトナ(ホナ)」インドの「カラクナス」だけが持っていると言われています。
が…ただ黒い鶏なら他にも沢山居ます。
例えば…「スマトラ」
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こちらは日本国内の家禽会報などにも登場するようです。
そして「スマトラ」は、1100年ほど前から存在していると言う事で、歴史が600年の「セマニ」は、スマトラから発生したのではと言われていますが、海外唯一のオナガドリ(日本のオナガドリからの品種改良は別として)なので、私は何となくセマニが先な気がしています。
ここで私が記載して居る神話の中で、初めのセマニの嘴が白で、黒い雌と交配され今の形になったと記載して居ます。
その雌の交配種こそが、スマトラであったのでは無いかと「これは勝手に私が妄想して」いますw
昔の文献が無いだけかもしれませんし、文献の誤りと言う事も良くあります。
その他、「黒柏」「真黒チャボ」ベトナムの「フモン」etc…
「スヴァルトナ(ホナ)」(スウェディッシュ・ブラック・チキン)は、昔船乗りが持ち帰ったセマニの交雑だと言われ、現在は品種として認定されていますので、別種です。「カラクナス」も認定されており小さめです。
アヤム・セマニは大型種に分類されており、卵は日本の取引規格で言うとMSサイズ(52~58g)です。
(親種が小さかったりする事等による差異は有ります)
鶏は、家畜として品種改良の為に交配を続けていた事と、どの種もほぼ交雑できるので雑種だらけです。
原種と言われているヤケイに関しても、古すぎて本当に鶏の原種なのか?と言う疑問さえあるようです。
(飼育種が逃げ出して野良鶏と混ざった可能性など)
諸説ありますが、3600年~6000年前の鶏の事など解らなくて当然なのですが…
元々は、紀元前8000年前に家畜化されたと推測されています。
現地に生息している、原種と思われるヤケイは、キジ同様に年に1度の繁殖期しか産卵しない様ですので、流通している年がら年中卵を産んでいるヤケイはどこかで交雑されているのだと思われますが、これについてはもう仕方がないでしょう。
動物マニア?からすれば残念でなりません。
それを理解している先人の方々が、鶏保存会を作られている事と思われます。
鶏は全て雑種ですが、品種の保持は必要かと思われます。
少々古いのと内容が難しすぎますが、血液分析による、日本鶏品種間の類縁関係1998の研究結果張っておきます。
この種とこの種は近いんだ!と言う程度で読んでみると楽しいです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpsa1964/35/3/35_3_173/_pdf
日本国内種鶏供給に占める海外種鶏(輸入された種鶏と,園内種鶏場で海外原種鶏から生産された種鶏の合計)の割合は 93~94% に至っている(日本種鶏解卵協会・国産鶏利用体制構築専門委員会 2007)
と、殆ど海外に依存している鶏では有りますが、スマートフォンや、軽自動車などでも言われるように、日本は鶏についてもガラパゴス化して世界に誇る鑑賞鶏の宝庫となっています。
日本が誇る「ガラパゴス鑑賞鶏」と同じく、セマニも保存して頂きたいと思っております。
Ayam Cemani アヤム・セマニ
発音は、アヤーム・チュ(ェ)マニ(ュ寄りですが、ェも入りますので、正しく日本語表記は出来ません)
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