アヤム・セマニの真実

大げさ表記、日本での認識の違いについて

昔は、セマニは卵や血も黒いと嘘が横行していました。
今は違う事が、やっと一般的になって来ました。

卵殻は、基本的にすべての鶏と同じ炭酸カルシウム結晶からなる卵殻です。
エミュー(ダチョウの仲間)の卵は黒いです。
しかしその卵も、殻自体は白です。
見た目が黒いだけです。
卵は卵の状態で物体として認識されるので「卵が黒い」は良いと思います。(セマニの卵は薄い赤玉もしくは白)

一般的には、未だ骨も黒いと有るのですが、骨については殻と同じ炭酸カルシウム結晶ですので、黒くはないのです。
「骨や肉を包んでいる筋膜」が黒いので黒く見えますが、骨に関しては筋膜ありきではないはずなので、骨は白です。
下記添付画像を見れば、骨も黒と言いたくなると思いますが・・・
https://ganburi.com/wp-content/uploads/2023/05/1665887892492.jpg
セマニの手羽焼き

やっぱり家畜扱いなので、残飯基準なのでしょうか…

インドネシアでは黒い個体が出ると王に献上されていた為、真っ黒に固定する事が出来なかったと考えられます。
無論、600年も前からなので、遺伝の知識も乏しかったと思われます。
現在は有名になってしまったおかげで、インドネシア内でもおかしな個体が多くなっていると思われます。

※米国での記載※
本来のアヤム・セマニの数は減少していますが、これは無責任な人が偽の黒鶏などを販売することによるものです。
インドネシアでは、宗教に反していると考えられているため、アヤム・セマニの繁殖に消極的で、今まで余り流通することが有りませんでした。
この鶏が古代の儀式によく使用されるためです。
アヤム・セマニの歴史は 、とても神秘的なものです。

アメリカでは、既に10年ほど累代を続けていますが、未だキングブラックの固定(黒化の固定)が出来ていません。
その為、一定の基準を設けて固定に向けて努力しているようで、口内の色を一つの指標と決めているようです。
参考;https://ganburi.com/wp-content/uploads/2023/05/セマニ舌-rotated.jpg
メラニスティックが粘膜には出にくいと言うのなら理解出来るのですが、一つの基準としている様な気がします。
(ご存じの方いらっしゃいましたら教えて下さい)
現に口内が黒でも、大きくなると鶏冠や顔が赤らむ個体や、口内がピンクでも見た目は真っ黒な個体も出ます。

下記は、アメリカ・オランダが独自に推奨している、パーフェクトなアヤム・セマニ(品評会基準)になります。
現在のところ、Ayam Cemaniは米国家禽協会によって承認されていませんので、あくまで各国の独自基準です。

以下の説明は、アメリカの完璧基準からのものです。
(ニュアンスが日本語に翻訳しがたいのと、翻訳するに時間がかかる為、解り難くて申し訳ありませんが、ほぼそのままの直訳文です)

※線維→メラニスティック(黒化)
コック→くちばし
鎌→蹴爪
ポンド(重量)の所は意味が解らないです。

失格
羽毛のあらゆる外国の色。口の中にピンク色がある(不完全な線維を示している)。
欠陥
口の中に黒や灰色以外の異色がある。羽毛の色褪せや色むら。足の爪は黒以外の色。

標準分銅
コック。。。。。。。5ポンドの
鶏。。。。。0.3.5ポンド

おんどり。。。。4ポンドの
プーレット。。。。0.2.5ポンド

形状: 男性
コーム:シングル; きめが細かく、サイズが大きく、まっすぐで直立しています。頭の上はしっかりしていて平らで、5つの異なる点があり、深い鋸歯があり、首の形に従う傾向がなく、後頭部にしっかりと伸びています。滑らかで、ねじれや折り目がありません。
肉垂:ミディアム、滑らかでシワがなく、サイズと形状が一致しています。
頭:適度な長さ、適度なクラウンを備えた強力なヘッド。
背中:中くらいの長さで、首から下に向かって傾斜しています。肩部では幅が広くなり、尾の接合部では狭くなります。
尾:尾は 45 度の角度で持ち、幅が広く、よく広がります。
鎌: 幅は狭く、長さは中程度で、わずかに湾曲しています。

形状: 女性
コーム:シングル; きめが細かく、中くらいの大きさで、まっすぐで直立しています。頭部はしっかりしていて均一で、5 つのはっきりとした深い鋸歯状の先端があります。
肉垂:中程度で滑らかで、しわがない。
頭:適度な長さ、力強く自信に満ちた表情。クラウンは目元にマイルドな奥行きを与えます。
背中:中くらいの長さで、首から下に向かって傾斜しています。肩の幅が広くなりました。
尾部:適度な長さで、45度の角度で運ばれ、適度に広がっています。

オスメス共通項
くちばし:中くらいの長さで、強くてよく曲がっています。
フェイス:きれいでキメが細かい。
目:丸くて暗くて目立つ。
耳たぶ:小さな楕円形で、滑らかな質感。
首:適度に長く、きれいにアーチ状で、薄いですが丈夫です。ハックルの羽は硬く、肩に届くこともあります。
翼:中程度の長さで、しっかりと保持され、水平面よりわずかに低く、肩のところでわずかに高くなります。強くて目立つポイント、体によく折り畳まれています。
胸:かなり幅広で、高く保たれています。丸くてしっかりしているが、過度に筋肉質ではない。
ボディ:ミディアムサイズでスリムでスマートなエレガントなフォルム。筋肉質でかさばらない。
脚とつま先:脚は十分に離れており、正面から見るとまっすぐです。
大腿部下部:短く、厚く、筋肉質で、飛節に向かってわずかに傾斜しています。
シャンク:中程度の長さ。
つま先:4本の指はしっかりと広げられ、つま先が後ろに立ってしっかりと地面に着いています。
羽毛:羽毛は短く、幅が狭く、硬くてしっかりしており、毛羽立ちが少なく、体にぴったりとフィットします。
外見:ゲームのような姿勢で、堂々と警戒心を持って立っています。

色: 櫛、顔、肉垂、耳たぶ:濃い黒色の繊維。
くちばし:鈍い黒色。
目:ダークブラウンからブラック。
シャンクとつま先:ブラック、グレーのレース編み。

以下の説明は、オランダの完璧基準からのものです。
(ニュアンスが日本語に翻訳しがたいのと、翻訳するに時間がかかる為、解り難くて申し訳ありませんがほぼそのままの直訳文です)

• 鳥は直立して注意深く立ち、ほぼ「ゲームのように」なります。
• ボディはミディアムサイズで、スリムでしっかりとした筋肉質。
• それはかなり広い胸と首から傾斜している中位の背中を持っています。 翼は長く、肩幅が広いので丈夫です。
• 尾は適度に高く保持されます。 太ももは力強く筋肉質です。 鳥は各足に4本の指を持っている必要があります。
• 羽はすべて黒で、体にぴったりとフィットします。 皮膚、目、腕輪、櫛はすべて黒でなければなりません。
• 羽毛は、日光の下で甲虫緑色から紫色の虹色を示すかもしれません。

キングブラックを目指して

やはり、鶏にしろ他の動物にしろ、色彩固定やブリードなどにはアメリカやヨーロッパなどの白人圏が長けていますので、日本もそれに準じていくことが近道かと思われます。

「アヤム・セマニは、全て真っ黒!」
あながち間違ってはいませんが、過剰すぎるんです。

さて、ここで問題です!

海に生息する珊瑚はご存じかと思います。
さて、珊瑚の成長は遅いですか?早いですか???

多分、90%程度の方は、何を言っているんだ!遅いに決まっている!!!と答えると思います。

皆さんが「珊瑚」と聞いて想像するは、多分エダ珊瑚と呼ばれる「サンゴ」だと思います。
正確な名称は「ミドリイシ」等が主流です。

皆さんが目にするサンゴのニュースは、温暖化によるサンゴの白化や、密漁による赤サンゴの乱獲、沿岸開発による環境変化等だと思います。
その際には、メディアとしては注目を集める為「大変な事です!!」を主張する必要が有ります。
その為、
温暖化によるサンゴの白化→回復するのに大変な時間がかかる!!
密漁による赤(紅)サンゴの乱獲→50年?に1cmしか成長しない!!
沿岸開発による環境変化→海を埋め立てるな!!希少な動物を保護しろ!!
等であおるんですね。

実際海水温の上昇は、一度起こるとそう簡単には低くならないので本当に時間が掛かりますが、時間がかかるのは「環境が戻るのが」であって、珊瑚の成長が遅いからでは有りません。
紅サンゴは、食べ物も栄養もない深海で、ひっそりと生息しているので、成長は遅いですが、特殊なケースです。
沿岸開発は、無論サンゴも埋められ、海水の流れも変わり砂浜が無くなるので(これとても重要)その辺りの珊瑚は無くなりますが、本来はそこから少し離れた所で形態は変わりますがまたサンゴ礁を形成します(自然の神秘です)
それよりも本当は、山を切り開く方がもっと最悪なのです。
それなのに、その時には何も報道されない…
経済の発展・人間の贅沢が重視されます。
悲しい事です。
山を削ると、土砂が川に流れ込みます。
そうすると海に栄養豊富な土砂が流れ込み、プランクトンや海藻が増えます。
土砂の沈殿と、プランクトンや海藻の大量発生で光が乏しくなり、珊瑚は時間をかけて死滅します。
それは長い間続きます。

昔は、珊瑚は植物とされていましたが、今は動物だと解りました。
多分、1個の珊瑚が1匹と思っている方の方が多いかと思いますが、10㎝程の珊瑚であっても100以上の個体の集まりなのです。(枝珊瑚などの場合)
なので、自然界では台風などでバラバラになっても、かけらさえあれば、新たにそこに定着し、増殖(繁殖の一環)するのがサンゴです。
無論岩の隙間に入ったり砂に埋もれた、光が当たらなくなった珊瑚(褐虫藻を持つサンゴ)は死にますが。
※褐虫藻(珊瑚と共生し光合成をする藻の一種)
大きい珊瑚が破損した時、ダイバー(観光産業)は大げさに言いますが、個体が分かれるだけです。
巨木は1つの個体なので、大きくなりすぎると内部が腐ったりして死ぬので保護が必要ですが、珊瑚は集合体なので、大きくなり過ぎた場合は、いくつかに分散しないと真中が死ぬので、その方がサンゴには良いのですよね。

少し横道にそれましたので軌道修正します。

実際の答えは「環境さえ整えば、珊瑚の成長は驚くほど速い」が正解なのです。

最近は良い飼育設備も売っており、ご家庭できっちり飼育する事も出来ますが、驚くほど維持費は掛かり(フル装備だと100万円位で、月の維持費は数万円以上)ます。
その様な設備を備えて飼育しているごく一部の方なら誰でも知っています。
1カ月経てば、景色が変わるほど成長します。
固い骨格を持たないソフトコーラルなら、1週間で風景は変わります。
枝珊瑚にしても1ヶ月で形状は変わります。

成長が遅い珊瑚は限られた一部の珊瑚で、珊瑚全般では意外と成長は早いのが真実なのです。
なので、珊瑚は成長が遅いではなく、「成長が遅いのは、限られた一部の珊瑚」であるのです。

沖縄で、珊瑚の養殖移植をしている団体が有りますが、それを見ても分かる通り、そんなに成長が遅いなら、移植が始まるのは数十年先です。
数年でしている事からも解る事です。

そう言う事なんです。
メディアによる偏った報道で、残念ながら先入観を植え付けられて居るのです。
セマニも、キングブラック(真っ黒)は一部で、珊瑚より限りなく難しいのです。

何言ってるんだ!インドネシアのYouTube見ても真っ黒じゃないか!と言う人も居ると思います。
真実を知る為には、先ほどの珊瑚と同じ様に、先入観や刷り込みを一旦横に置いておかなければなりません。

セマニ雄は2.5kg程とされています。
これも微妙な表現で、サイズを測るのが困難な為か、肉として出荷される家畜の運命なのか、昔家に居たポリスブラウンは、4㎏超えてましたから…
重量は餌によります、、、
また横道にそれました。

元に戻ります。
その動画に映っているセマニは、2.5㎏有りますか?
鶏愛好家なら、見た目で大体の重さは解ると思います。
しかし先入観が有る為、そこには気が付かないのです。
アップされているのは、若鳥ばかりなんですよね…
それを踏まえてもう一度見て頂ければと思います。
飼い主もメディアも、「黒い」を主張したいので、大きくなって真っ黒でない個体を映したくないのは当然の事です。
最近は年数を経た個体の動画も出てきますので検索下さい。
ちなみに、画像処理を簡単に出来るような若い方が見ればすぐ解ると思うのですが、巷のセマニの写真については、ほぼ画像処理で色彩変更されています。

私は動物を扱う一人の人間として、そう言う事が大嫌いですので、初めから「茶羽が出る事がある」と記載し、イベントや展示で現物のセマニ(2年物)を人に見て貰って頂いてきました。
無論、私は画像の色加工は一切しておりません。
本来の方法で黒化安定した現在の個体に至るまで、4年の月日がかかっています。
3年間世に出さなかったのは、ある程度の精査は必要であると思ったからです。

この方も私と同じことを記載されています。
https://featherloverfarms.com/products/feather-lover-farms-ayam-cemani-bloodline-chick

※原文※
The birds pictured here are our breeding stock and were selected from many Ayam Cemani birds for their exceptionally black features. However, it is important to understand that not all Ayam Cemani offspring grow up to be solid black, even with solid black parents. We cannot guarantee the distribution of black pigment in the offspring you receive as each chick will turn out different.

※翻訳※
ここに写真に写っている鳥は私の繁殖用の鳥で、多くのアヤム・セマニの中から、際立って黒い特徴を持っているために選ばれたものです。 ただし、たとえ真っ黒の両親を持っていたとしても、すべてのアヤム・セマニの子孫が真っ黒に成長するわけではないことを理解することが重要です。 雛ごとに結果が異なるため、お届けする子孫の黒色色素の分布を保証することはできません。

ここを読まれている方は、ある程度鶏をご存じである方だと思われます。
ここのブログの様に(勝手にリンクして申し訳ございません)
一般の方は、このレベルの物までセマニと信じてしまいます。
https://e-netamag.net/cemanichicken/

真っ黒セマニ(キングブラック)は、これからです。
「何だ、真っ黒ではないのか!」ではなく、皆で協力し海外に負けない様、完ぺきなセマニを作り上げて行く事が、セマニ飼育の原点だと思います。

私は初めからそう記載して居ましたが、ここまでの深い内容をヤフオクや、対面でもお伝えすることが困難でした。
皆様、改めてセマニと向き合っていきましょう。

がんこ

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